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コラム

2026.09.15

相続放棄したい実家・不動産はどうする?売却前の注意点|小山市

相続放棄|小山市の相続不動産を確認するイメージ

小山市で実家や土地を相続し、「使わない不動産だけ相続放棄したい」「借金があるか分からないので家を先に売ってよいのか」と迷うことがあります。

相続放棄は、不要な不動産だけを選んで手放す制度ではありません。家庭裁判所で相続放棄が受理されると、原則としてその相続について権利も義務も引き継がない扱いになります。そのため、不動産だけを放棄して預貯金だけ受け取る、といった選び方はできません。

また、相続放棄を検討している段階で遺産を売却・解体・処分すると、その内容によっては「単純承認」と評価され、相続放棄の有効性が問題になる可能性があります。まずは期限、財産、債務、現在の不動産管理状況を整理し、大きな処分をする前に家庭裁判所や弁護士・司法書士へ確認することが重要です。

先に結論|相続放棄を考えているときの5つのポイント

  • 不動産だけを相続放棄することはできない
  • 原則3か月の熟慮期間を意識する
  • 売却・解体・家財処分を先に進めない
  • 財産と債務を両方調べる
  • 3か月で判断できないなら期間伸長を検討する

相続放棄とは?不動産だけを選んで放棄はできない

相続が発生した場合、相続人には大きく「単純承認」「相続放棄」「限定承認」という選択肢があります。相続放棄は、亡くなった方の土地・建物・預貯金などのプラス財産だけでなく、借入金や未払金などのマイナス財産も含めて、その相続について権利義務を引き継がないための手続です。

そのため、「古い実家はいらないので放棄するが、預金は受け取りたい」「借金だけ放棄したい」という選択はできません。まず財産と債務を全体で確認し、相続するか、放棄するかを判断します。

相続放棄と不動産について財産と債務を整理して相談するイメージ
不動産だけでなく、預貯金・借入金・税金など相続財産全体を確認します。

相続放棄の3か月は、いつから数える?

相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。

実務上は、単に死亡日だけを見るのではなく、亡くなった事実と、それによって自分が法律上の相続人になったことを知った時期を確認します。たとえば、先順位の相続人が相続放棄したことで後順位の親族が新たに相続人となった場合には、その人自身の起算点を個別に確認する必要があります。

「死亡から3か月を過ぎたから絶対に無理」「まだ死亡から3か月以内だから大丈夫」と自己判断せず、いつ何を知ったのかを日付と資料で整理してください。

相続放棄を検討中に避けたい不動産の処分

相続人が相続財産の全部または一部を処分した場合、内容によっては単純承認とみなされることがあります。相続放棄を検討している段階では、特に次の行為を自己判断で進めない方が安全です。

  • 相続した家や土地を売買契約する
  • 建物を解体する
  • 価値のある家財・車・貴金属などを売却する
  • 相続財産を自分のために費消する
  • 名義変更や処分を前提とした手続きを進める

一方で、相続財産が壊れないようにするための保存行為などまで、すべて同じ扱いになるわけではありません。たとえば危険箇所への最低限の対応、鍵や重要書類の保管など、財産を維持するために必要な行為と、財産を積極的に処分する行為は分けて考える必要があります。

ただし、何が保存行為に当たるかは具体的な状況で変わります。「片付けくらいなら大丈夫」と決めつけず、相続放棄を考えている場合は、家財処分や解体の前に専門家へ確認してください。

相続放棄を決める前に確認する資料

1.不動産

固定資産税納税通知書、課税明細書、登記事項証明書などから、土地・建物の所在地、名義、持分、抵当権などを確認します。小山市以外にも土地や山林などを所有している可能性がある場合は、対象を広げて調べます。

2.預貯金・有価証券・保険

通帳、残高通知、証券会社からの郵便、保険証券などを集めます。資料を確認することと、相続財産を自由に引き出して使用することは別です。相続放棄を検討している場合は、預金の使用にも注意します。

3.借入金・カード・保証債務

住宅ローン、カードローン、クレジットカード、事業借入、連帯保証などを確認します。督促状や金融機関からの郵便が届いていないかも整理してください。

4.未納税金・医療費・施設費など

固定資産税、住民税、医療費、施設費、公共料金など、亡くなった方に未払いがないか確認します。金額が分からない場合は「未確認」として一覧に残します。

5.相続人の順位

配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹など、誰が法律上の相続人になるのかを戸籍で確認します。先順位の相続人が全員放棄すると、次順位の親族が相続人になる場合があります。

相続放棄を検討するため登記資料や借入資料を確認するイメージ
不動産だけでなく、借入金・税金・保証債務まで一つの一覧にまとめます。

3か月で財産調査が終わらないときは期間伸長を検討

財産や債務が複雑で、3か月以内に相続するか放棄するか判断する資料がそろわないことがあります。その場合は、熟慮期間内に家庭裁判所へ「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立て、期間を延ばしてもらう方法があります。

期間は自動的に延びるわけではありません。「まだ調査中だから大丈夫」とそのまま3か月を過ぎないよう、早めに申立ての要否を確認します。

債務がどの程度あるか分からない場合には「限定承認」という制度もありますが、共同相続人がいる場合は原則として相続人全員で行う必要があり、清算手続も複雑です。利用を検討する場合は弁護士等へ相談してください。

相続放棄をした後、不動産はどうなる?

次順位の相続人がいる場合

先順位の相続人が相続放棄すると、次順位の親族が相続人になる場合があります。放棄した人がその不動産を売却するのではなく、次に相続人となる人が相続するか放棄するかを検討します。

相続人全員が放棄した場合

相続人全員が相続放棄し、結果として相続する人がいなくなった場合には、家庭裁判所が申立てにより相続財産清算人を選任する制度があります。清算人が債務の支払いなどを行い、残った財産は最終的に国庫へ帰属することがあります。

相続財産清算人の選任申立ては、利害関係人や検察官が行う制度です。財産だけでは清算事務の費用が足りない可能性がある場合、裁判所から予納金を求められることもあります。

放棄後も必ず空き家を管理し続ける?

現在の民法では、相続放棄をした人が放棄時にその相続財産を現に占有していた場合、相続人や相続財産清算人へ引き渡すまで、その財産を自己の財産と同じ程度の注意で保存する義務を負います。

反対に、遠方に住んでおり、放棄時に実家を現に占有していなかった人まで一律に同じ保存義務を負うわけではありません。「相続放棄しても永久に管理責任が残る」と一括りにせず、放棄時の占有状況を確認します。

相続放棄せず、不動産を相続して売却する場合

財産と債務を調べた結果、「相続した方がよい」と判断する場合は、不動産の査定と売却準備へ進みます。相続放棄を選ぶ場合と、相続して売る場合は手続がまったく異なるため、途中で混同しないことが大切です。

相続して売却する場合は、相続人の確認、遺産分割、相続登記、物件調査などを整えます。査定や買主探しの準備は相続登記前からできることがありますが、買主への所有権移転までに必要な相続登記を整える必要があります。

売却方法については、相続不動産の仲介と買取の違いも参考になります。価格だけでなく、売却期間、残置物、修繕、管理負担まで含めて比較します。

相続放棄と相続後の不動産売却を比較するイメージ
放棄する場合と、相続して売る場合では、その後の手続が大きく異なります。

小山市の相続放棄|想定事例で確認

想定事例1|実家と借入金がある

小山市の実家を父が所有し、子が相続人になった想定です。固定資産税通知書では土地・建物が確認できましたが、郵便物からカードローンと事業上の保証債務がある可能性も分かりました。

この場合、家だけを先に売ってから相続放棄を考えるのではなく、まず不動産の概算価値と債務を調べます。期限内に判断できなければ熟慮期間の伸長を検討し、そのうえで相続放棄か相続かを選びます。これは判断手順を示す想定例で、実在の相談事例ではありません。

想定事例2|実家に住んでいた相続人が放棄する

亡くなった親と同居していた子が相続放棄する想定です。放棄時にも実家を事実上占有している場合は、放棄後も次の相続人や相続財産清算人へ引き渡すまで保存義務が問題になることがあります。

一方、遠方に住み、実家を占有していなかった親族が放棄したケースとは事情が異なります。相続放棄後の管理を一律に決めず、現に占有しているかを含めて確認します。

想定事例3|子・親・兄弟姉妹が全員放棄

先順位から順に全員が相続放棄し、最終的に相続人がいなくなった想定です。不動産が自動的に誰かへ移るわけではなく、必要に応じて利害関係人等が家庭裁判所へ相続財産清算人の選任を申し立てる方法があります。

相続放棄で避けたい5つの失敗

  1. 「不動産だけ放棄できる」と考える|相続放棄は原則として相続全体について行う
  2. 3か月の起算点を死亡日だけで決める|自分が相続人になったことを知った時期を確認する
  3. 決める前に売却・解体する|処分内容によって単純承認が問題になる可能性がある
  4. 借金だけ調べて不動産価値を見ない|プラス・マイナス両方を把握する
  5. 放棄後の管理義務を一律に考える|放棄時に現に占有していたかを確認する

相談前のチェックリスト

  • 被相続人が亡くなった日
  • 自分が相続人になったことを知った時期
  • 戸籍関係書類
  • 固定資産税納税通知書・課税明細書
  • 土地・建物の登記事項証明書
  • 預貯金・証券・保険の資料
  • 住宅ローン・カード・借入金の資料
  • 税金・医療費・施設費などの未払い資料
  • 連帯保証・事業債務の有無
  • 他の相続人と先順位者の放棄状況
  • 現在、誰が実家を使い・管理しているか
  • 家財や車などを処分していないか
  • 3か月以内に判断できる見込みがあるか

全部の資料がそろっていなくても相談はできます。大切なのは「ある」「ない」「未確認」を分けることです。未確認事項が多い場合は、処分を急ぐより先に、期限管理と調査方法を整理してください。

よくある質問

Q1.相続放棄をしたいのですが、不動産会社へ査定を頼んでも大丈夫ですか?

価格の目安を知るための相談・査定と、実際に売買契約や処分をすることは別です。ただし、相続放棄を検討中で判断に迷う行為がある場合は、媒介契約や具体的な処分を進める前に弁護士等へ確認してください。

Q2.相続放棄する前に家の中を片付けてもよいですか?

一律に「何も触れない」とまではいえませんが、価値のある物の売却や大量処分は相続財産の処分として問題になる可能性があります。重要書類や貴重品を保全し、家財を捨てたり売ったりする前に専門家へ確認するのが安全です。

Q3.3か月では借金の全額が分かりません

熟慮期間中に調査しても判断材料が足りない場合は、家庭裁判所へ期間伸長を申し立てる方法があります。期間が過ぎる前に確認してください。

Q4.兄が相続放棄したら、弟の私も自動的に放棄になりますか?

なりません。相続放棄は相続人ごとに行う手続です。また、先順位者全員の放棄によって次順位の親族が相続人になる場合があります。自分が相続人になっているか戸籍等で確認します。

Q5.全員が相続放棄したら空き家は市のものになりますか?

自動的に自治体所有になるわけではありません。相続人がいなくなった場合は、相続財産清算人による清算手続が行われ、清算後の残余財産が国庫へ帰属する仕組みがあります。

Q6.相続放棄が受理されたら、実家の管理は完全に終わりますか?

放棄時にその相続財産を現に占有していた場合は、相続人や相続財産清算人へ引き渡すまで保存義務を負うことがあります。現に占有していなかった人まで一律に同じ義務を負うわけではありません。

まとめ|相続放棄は「不動産を処分する前」に期限と財産全体を確認する

相続放棄は、不要な不動産だけを切り離す制度ではありません。実家や土地を含めたプラス財産と、借入金・未払金・保証債務などのマイナス財産を確認し、相続全体として判断する必要があります。

特に重要なのは、原則3か月の熟慮期間を意識し、相続放棄を検討している間に売却・解体・家財処分などを先行させないことです。調査が間に合わなければ期間伸長を検討し、放棄後は次順位相続人の有無や、放棄時の占有状況も確認します。

不動産会社では法的な相続放棄の判断はできませんが、不動産の現況確認や査定を通じて、「相続した場合にどの程度の価値があるのか」を整理する資料を作れます。法的な判断は家庭裁判所・弁護士・司法書士と連携して進めるのが安全です。

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※本記事は2026年9月15日時点の一般情報です。相続放棄の起算点、単純承認に当たるかどうか、保存義務の有無などは個別事情により判断が変わります。具体的な法律判断は家庭裁判所・弁護士・司法書士等へご確認ください。

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