メニュー

コラム

2026.09.12

親子共有名義の家で親が亡くなったら?持分の相続と名義変更|古河市

親子共有名義の家とは、親と子が一緒に一軒家を所有している状態です。親と子が一緒に家を買い、共有名義になっているご家庭は珍しくありません。たとえば、親が2分の1、長男が2分の1という形です。では、その親が先に亡くなったら家はどうなるのでしょうか。

ここで最初に覚えておきたいのは、「家全部を子どもたちで相続するわけではない」ということです。相続の対象になるのは、亡くなった親が持っていた持分だけです。もともと子が持っていた持分は、その子の財産のまま変わりません。

この記事では、親子共有名義の家で親が亡くなった場合に、誰が何分の何を相続するのか、兄弟3人ならどうなるのか、売却するとき何が必要なのかを、できるだけ分かりやすく、順番に説明します。最後には、親が元気なうちにやっておくとよい準備もまとめます。

先に結論

  • 親が亡くなったら、親の持分だけが相続財産になる
  • もともと子が持っていた持分は、その子のまま
  • 遺言がなければ、親の持分を相続人で分けることになる
  • 法定相続分どおりの共有にする必要はなく、遺産分割協議で一人が親の持分を取得することもできる
  • そのまま兄弟共有にすると、将来の売却や次の相続で複雑になることがある

親子共有名義の家とは?まず「持分」を知ろう

共有名義とは、一つの不動産を複数人で所有している状態です。不動産には「誰が何%持っているか」を表す持分があります。たとえば親子で購入した家の登記が「親2分の1・長男2分の1」なら、家を100%として親が50%、長男が50%を所有しているイメージです。

ここで大切なのは、実際に支払った住宅ローンの割合や、家に住んでいる人数だけで判断しないことです。まずは登記事項証明書を確認し、土地と建物それぞれについて、誰がどの持分を持っているかを確認します。土地と建物で持分割合が違うこともあります。

例:親と長男が半分ずつ所有している家

親の持分
1/2(50%)
長男の持分
1/2(50%)

親が亡くなったときに相続の対象になるのは、左側の「親の1/2」だけです。

親子共有名義の家で親の持分だけが相続対象になる仕組みを説明するイメージ
親が亡くなっても、もともと子が持っている持分まで相続財産になるわけではありません。

親子共有名義|親が亡くなったら、どこまでが相続財産になる?

親が亡くなると、その親が所有していた不動産の持分が相続財産に入ります。先ほどの例なら、親の「2分の1」が遺産です。長男が生前から持っていた「2分の1」は長男自身の財産なので、そのままです。

この考え方はとても重要です。「親が亡くなったから、一軒家を子ども3人で3分の1ずつ」という計算ではありません。まず親の持分を確認し、その親の持分を誰が相続するのかを考えます。

親子共有名義|親1/2・長男1/2、子ども3人ならどうなる?

ここでは、分かりやすく次の家族を想定します。

  • 家の持分:親 1/2、長男A 1/2
  • 親の配偶者はすでに亡くなっている
  • 親の子どもは、長男A・次男B・長女Cの3人
  • 遺言書はない
  • ほかの事情はなく、法定相続分を基準に考える

この場合、相続するのは親が持っていた1/2だけです。子ども3人が同順位の相続人なので、親の1/2を3人で均等に分けると、それぞれ家全体の1/6ずつを相続する計算になります。

法定相続分どおりに相続した場合

もともとの持分 親から相続 最終持分
長男A 1/2 1/6 2/3
次男B なし 1/6 1/6
長女C なし 1/6 1/6

つまり、長男Aはもともとの1/2に親からの1/6を足して2/3、次男Bと長女Cはそれぞれ1/6となります。

ただし、これはあくまで「法定相続分を基準に、そのまま持分を分けた場合」の例です。実際の遺産分割では、必ずこの割合の共有名義にしなければならないわけではありません。

親子共有名義|必ず兄弟3人の共有名義にしなければならない?

いいえ。相続人全員で合意できれば、親の持分を一人がまとめて取得することもできます。

たとえば、もともと家の2分の1を持ち、その家に住んでいる長男Aが、親の2分の1も相続する形です。そうすると家は長男Aの100%単独名義になります。

方法1:長男が親の持分を全部取得する

親の持分を長男Aが取得し、次男B・長女Cは預貯金など別の財産を取得する方法があります。遺産全体を見て、できるだけ納得できるように分ける考え方です。

方法2:長男が取得し、兄弟へ代償金を支払う

不動産以外の財産が少ない場合には、長男Aが家を取得し、次男B・長女Cへ金銭を支払って調整する「代償分割」が検討されることがあります。家を共有にせず、一人の名義にまとめやすい方法です。

ただし、代償金をいくらにするかは、不動産の価値、ほかの遺産、各相続人の合意などによって変わります。不動産会社の査定価格は売却価格の目安として役立ちますが、法的な評価を自動的に決めるものではありません。意見が分かれる場合は、不動産鑑定士や弁護士、税理士などへの相談も検討してください。

親の持分を一人の子が相続して単独名義にする場合と兄弟共有にする場合を比較するイメージ
親の持分を誰が取得するかで、将来の管理や売却のしやすさが大きく変わります。

親の配偶者が存命なら計算は変わる

亡くなった親に配偶者がいる場合は、その配偶者も相続人です。子と配偶者が相続人になる場合、法定相続分は、親の遺産について配偶者が2分の1、子ども全員で2分の1となります。子が3人なら、子一人あたりは親の遺産の6分の1です。

同じく「親1/2・長男A1/2」という家で親が亡くなり、配偶者と子3人が相続人なら、親の1/2のうち配偶者が1/4(家全体で1/4)、子ども3人がそれぞれ1/12ずつを相続する計算になります。長男Aは、もともとの1/2に1/12を足して7/12です。

このように、「子どもが3人だから3等分」とだけ考えると間違いやすいので、まず相続人が誰なのかを確定することが必要です。

共有名義のままにすると何が困る?

親子共有名義から兄弟共有へ移った場合でも、兄弟仲が良ければすぐに問題が起きるとは限りません。ただし、不動産は長期間持つことが多いため、「今は大丈夫」でも10年後・20年後に状況が変わることがあります。

家全体を売るときは、共有者全員の意思確認が必要

共有不動産全体を第三者へ売却する場合は、原則として共有者全員の合意が必要です。長男が「そろそろ売りたい」と思っても、次男や長女が反対すれば、そのまま家全体を売ることはできません。

共有者の一人が亡くなると、その持分がさらに相続される

たとえば次男Bが1/6を持ったまま亡くなると、その1/6がBの配偶者や子どもへ相続される可能性があります。すると、最初は兄弟3人だった共有者が、次の世代では4人、5人と増えることがあります。

固定資産税・修繕・管理の負担でも揉めやすい

「誰が固定資産税を払うのか」「屋根の修理代は誰が出すのか」「住んでいる人だけが得をしていないか」といった問題も起きやすくなります。支払った人・金額・作業内容を記録し、家族で方針を共有しておくことが大切です。

共有名義については、不動産相続で兄弟姉妹が揉める原因と予防策もあわせて確認すると整理しやすくなります。

親子共有名義の家を売る場合はどうする?

親子共有名義の家で親が亡くなった後に家全体を売却する場合、亡くなった親名義の持分をそのままにして通常の売買を完了することはできません。まず親の持分について相続関係を整理し、買主への所有権移転までに必要な相続登記を整えます。

相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が基本です。正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料の対象となることがあります。

査定は相続登記が終わる前でも相談できる

「登記が終わるまで不動産会社には相談できない」と思う必要はありません。査定や売却方法の相談は、相続登記と並行して進めることができます。むしろ、売却価格の目安が分かると、兄弟で持分を分けるのか、一人が取得するのかを考える材料になります。

売却方法については、相続不動産の仲介と買取の違いも参考にしてください。

住宅ローンや抵当権が残っていたら?

親と子で家を買った場合は、住宅ローンの組み方にも注意が必要です。「親だけが借りていた」「親子のペアローン」「連帯債務」などで扱いが違います。団体信用生命保険(団信)に加入していても、どの借入がどこまで返済されるかは契約内容によって異なります。

親が亡くなったからといって、住宅ローンが必ず全部なくなるとは限りません。金融機関へ連絡し、ローン残高、団信の対象者、抵当権の状態を確認してください。売却を予定している場合は、売却代金でローンを完済し抵当権を抹消できるかも重要な確認事項です。

相続が起きたら、まずこの順番で確認

  1. 登記事項証明書で土地・建物の持分を確認
  2. 相続人が誰なのか戸籍で確認
  3. 遺言書があるか確認
  4. 住宅ローン・抵当権・団信を確認
  5. 誰が家を使うのか家族の希望を整理
  6. 売却価格の目安を査定で確認
  7. 親の持分を誰が相続するか遺産分割協議で決める

相続人全員で話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を利用する方法があります。すでに争いになっている場合は、不動産会社が法的な代理交渉を行うことはできないため、弁護士へ相談してください。

親子共有名義の家の相続で登記・相続人・住宅ローン・売却査定を順番に確認するイメージ
最初から名義変更だけを急ぐのではなく、持分・相続人・ローン・家族の希望を一つずつ整理します。

親が元気なうちにやっておくと良いこと

親子共有名義の家は、親が元気なうちに少し準備しておくだけで、相続後の負担を大きく減らせることがあります。大げさな相続対策を始める前に、まず次のことから確認しましょう。

1.登記簿を一度見て、持分を家族で共有する

意外と多いのが、「家は親子で半分ずつだと思っていたけれど、土地は親100%だった」「土地と建物で持分が違った」というケースです。登記事項証明書を取り、土地と建物それぞれの名義・持分を家族で確認しておきます。

2.住宅ローン・団信・抵当権の資料をまとめる

ローン契約書、返済予定表、団信の資料、金融機関の連絡先を一か所にまとめます。親が亡くなったあと、家族が「どの銀行に連絡すればいいのか分からない」という状態を避けられます。

3.将来、誰が住むのか・売るのかを話しておく

「親が亡くなった後も長男が住む予定なのか」「誰も住まないなら売るのか」「兄弟共有にするつもりなのか」を、決定でなくてもよいので話しておきます。親の希望と子どもの考えが大きく違う場合は、生前に分かるだけでも意味があります。

4.遺言書で親の持分を誰に引き継ぐか整理する

たとえば、もともと共有して一緒に住んでいる子へ親の持分を引き継いでもらいたい場合、遺言書で意思を明確にしておく方法があります。遺言があると、親がどのように考えていたかを家族が理解しやすくなります。

ただし、遺言書があれば何を書いても必ずそのまま問題なく終わるわけではありません。配偶者や子など一定の相続人には「遺留分」という最低限の取り分が問題になる場合があり、遺留分を侵害すると金銭請求につながることがあります。遺言を作るときは、不動産だけでなく預金など財産全体を確認し、司法書士・弁護士・税理士などへ相談すると安心です。

5.「家をもらう子」以外への財産も考える

親の持分を一人の子へ集中させたい場合、その子以外の兄弟が「自分には何もない」と感じると争いの原因になります。預貯金、生命保険なども含めて、家以外の財産をどうするか考えておくことが重要です。

6.生前贈与で名義を変える前に税金を確認する

「亡くなる前に親の持分を子へ贈与してしまえば簡単」と考えることもできますが、生前贈与には贈与税、登録免許税、不動産取得税などが関係する場合があります。相続による登記と贈与による登記では登録免許税の税率も異なります。名義を動かすことだけを目的に、税金を確認せず贈与するのは避けましょう。

生前贈与、売買、遺言、家族信託など、どの方法が合うかはご家庭によって違います。「共有をなくしたい」という結論だけで方法を決めず、費用・税金・家族関係まで含めて専門家へ確認してください。

よくある質問

Q1.親の持分を、もともと共有していた子が自動的に相続できますか?

自動的にその子だけのものになるわけではありません。遺言書や遺産分割協議などにより、親の持分を誰が取得するかを整理します。遺言がなく相続人が複数いる場合、相続開始後は親の遺産について相続人間の共有状態となるため、その後の遺産分割が重要です。

Q2.兄弟3人で法定相続分どおりに登記しないといけませんか?

いいえ。相続人全員で合意できれば、一人が親の持分を取得するなど、遺産分割協議で別の分け方を決めることができます。

Q3.長男が家に住み続けている場合、家全部が長男のものになりますか?

住んでいるだけで自動的に所有権が増えるわけではありません。登記上の持分と相続手続を確認します。長男が親の持分を取得したい場合は、遺言や遺産分割協議などが必要です。

Q4.共有名義のままでも売れますか?

共有者全員が合意し、必要な登記や契約条件を整えれば、不動産全体を売却できます。一方、共有者一人が自分の持分だけを処分することと、不動産全体を売ることは別の話です。

Q5.親が亡くなったあと、すぐ名義変更しないと罰金になりますか?

相続登記には原則3年の申請義務があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となることがあります。遺産分割がすぐまとまらない場合には「相続人申告登記」という制度もありますが、これは売却に必要な所有権の登記そのものではありません。

Q6.親の持分を一人にまとめるなら、遺言と生前贈与のどちらが良いですか?

一概には決められません。遺言は相続後の取得者を明確にする方法ですが、遺留分や遺産全体のバランスを考える必要があります。生前贈与は相続前に名義を変えられる一方、贈与税や不動産取得税、登録免許税などの負担が生じる場合があります。税理士・司法書士・弁護士などへ相談して比較してください。

まとめ:親子共有の家は「親の持分だけ」を切り分けて考える

親と子で共有している一軒家で親が亡くなった場合、最初に考えるのは「家をどう3等分するか」ではありません。まず、親が持っていた持分が何分の何なのかを確認し、その持分を誰が相続するのかを整理します。

もともと家を共有している子がそのまま住み続ける予定なら、親の持分をその子へまとめる方法も検討できます。一方、法定相続分どおりに兄弟共有にすると、将来の売却や次の相続で共有者が増える可能性があります。どちらが良いかは、家の価値、ほかの遺産、住宅ローン、家族の希望によって変わります。

そして、親が元気なうちに登記簿、ローン、遺言、家族の希望を整理しておくことは、相続後の負担を減らす大きな準備になります。何かをすぐ契約する必要はありません。まず「今の名義と持分を知る」ことから始めてください。

あわせて確認したい関連記事

🧭 どの記事を読めばいいか迷った方へ

兄弟・共有、名義・登記、税金、空き家、売却など、今のお悩みから関連記事を探せます。

相続不動産のお悩み別ガイドを見る →

親子共有名義の実家も、売るか決める前からご相談いただけます

北関東相続不動産を運営する株式会社SPCでは、古河市を含む北関東の相続不動産について、「親と共有名義だった」「兄弟で共有にするべきか迷っている」「親の持分を誰が相続するか決まっていない」という段階から、現況確認や売却査定を承っています。法的な遺産分割や遺留分については、必要に応じて弁護士・司法書士などの専門家へご確認ください。

※本記事は2026年8月31日時点の一般情報です。相続人・法定相続分・遺産分割・遺留分・住宅ローン・税金の扱いは個別事情によって異なります。登記は司法書士・法務局、法的な争いは弁護士、税務は税理士・税務署、住宅ローンは金融機関へご確認ください。

参照した公的情報

この記事をシェアする
Twitter
Facebook
はてな
RSS