メニュー

コラム

2026.09.13

相続人と連絡が取れないと不動産は売れない?対処法と売却手順|古河市

古河市で実家や土地を相続したものの、兄弟姉妹など相続人と連絡が取れないと、「このまま売却できるのか」「自分だけで手続きを進めてよいのか」と不安になることがあります。

結論からいうと、亡くなった方が所有していた不動産を相続人が複数で承継する場合、一人と連絡が取れないまま、残りの相続人だけで遺産分割を決めたり、不動産全体を通常どおり売却したりすることはできません。ただし、「電話に出ない」「住所が分からない」「本当に行方不明」のどれなのかで、取るべき手続きは変わります。

この記事では、相続人と連絡が取れないときに最初に確認すること、連絡先が分からない場合の調査、返事がない場合の進め方、行方不明の場合の不在者財産管理人、遺産分割調停、売却準備までを順番に整理します。

先に結論|「連絡が取れない」を3つに分けて考える

  • 住所・連絡先が分からない → 戸籍・戸籍の附票などで確認できる方法を検討する
  • 住所は分かるが返事がない → 連絡記録を残し、任意協議が進まなければ弁護士や遺産分割調停を検討する
  • 従来の住所を離れ、容易に戻る見込みがない → 家庭裁判所で不在者財産管理人の選任を検討する

相続人と連絡が取れないと、不動産は売れない?

まず、「誰の不動産を、誰が相続するのか」を確認します。亡くなった方が単独で所有していた不動産で、遺言書がなく相続人が複数いる場合、相続開始後は遺産分割が終わるまで相続人全員に関係する財産として扱われます。

そのため、任意の遺産分割協議を一部の相続人だけで成立させることはできません。また、不動産全体を第三者へ売却するには、相続関係を整理し、売主となる人の登記を整えたうえで、必要な権利者が契約に参加できる状態にする必要があります。

一方で、「連絡が取れない=何もできない」ではありません。査定、現地確認、必要書類の収集、売却価格の目安確認などは、法的な手続きと並行して進められる場合があります。大きな費用をかける前に、何が止まっていて、何なら先に進められるかを分けて考えます。

相続人と連絡が取れない不動産について家族と専門家が状況を整理するイメージ
まず「連絡先不明」「返事がない」「行方不明」のどれなのかを整理します。

相続人と連絡が取れない理由を最初に分ける

同じ「連絡が取れない」でも、状況によって使える手続きが異なります。不在者財産管理人は、単に電話やLINEへ返事がない人の代わりに選任する制度ではありません。ここを混同しないことが重要です。

ケース1|住所・電話番号が分からない

昔から疎遠で、現在どこに住んでいるか分からない場合です。まず戸籍で相続人の範囲を確認し、戸籍の附票などから住所を確認できる方法を検討します。戸籍や戸籍の附票を誰が取得できるかには条件があるため、司法書士や弁護士へ相談しながら進めると安全です。

ケース2|住所は分かるが返事がない

手紙が届いている、住所も分かっているのに、電話やメールへ返事がないケースです。この場合、すぐに「行方不明」とは扱いません。いつ、どの方法で連絡したかを記録し、必要に応じて書面で連絡します。

任意の話し合いが進まない場合は、弁護士へ相談したり、家庭裁判所の遺産分割調停を検討したりします。相手が返事をしないからといって、その相続人を除外して遺産分割協議書を作ることは避けてください。

ケース3|本当に行方が分からない

従来の住所や居所を離れ、容易に戻る見込みがなく、調査しても所在が分からない場合は、家庭裁判所へ不在者財産管理人の選任を申し立てる方法があります。選任された管理人は不在者の財産を管理・保存し、家庭裁判所の許可を得ることで、遺産分割や不動産売却などに関与できる場合があります。

ケース4|海外に住んでいる

海外在住であること自体は「行方不明」ではありません。連絡が取れ、本人の意思確認ができるなら、必要書類や署名方法を確認しながら手続きを進めます。国や居住地によって書類の準備方法が変わるため、司法書士へ早めに相談してください。

最初に確認する5つのこと

  1. 登記事項証明書|現在の名義人・持分・抵当権などを確認する
  2. 遺言書|誰に不動産を取得させる内容か確認する
  3. 相続人の範囲|戸籍を集め、誰が共同相続人になるのか確認する
  4. 相続人の住所・連絡状況|分かる住所、電話、メール、最後に連絡した時期を整理する
  5. 不動産の現況と希望期限|空き家か、誰かが住んでいるか、いつまでに整理したいか確認する

特に、固定資産税の通知書の宛名や、普段連絡を取っている家族だけで相続人を判断しないことが大切です。戸籍上の相続人と実際の連絡先を分けて一覧にすると、何が未確認なのか見えやすくなります。

住所が分からないときの進め方

相続人の住所が分からない場合は、まず戸籍関係を確認します。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をたどり、法定相続人を確定します。そのうえで、必要に応じて戸籍の附票などから住所を確認する方法を検討します。

ただし、個人の住所情報は誰でも自由に取得できるものではありません。相続手続として必要な範囲で、取得資格や必要書類を市区町村へ確認し、難しい場合は司法書士・弁護士へ依頼します。

住所が判明したら、いきなり売却への同意を求めるだけでなく、「誰が亡くなったのか」「どの不動産なのか」「現在何を確認したいのか」を簡潔に伝える方が話を始めやすくなります。

住所は分かるのに返事がない場合

相手が返事をしない理由は、相続に関わりたくない、内容を理解できていない、家族関係に感情的な問題がある、単に忙しいなどさまざまです。最初から「反対している」と決めつけず、連絡した事実と相手の反応を分けて記録します。

連絡記録を残す

  • 連絡した日
  • 電話・メール・書面などの方法
  • 送った内容
  • 返答の有無
  • 次に連絡する予定日

書面を送る場合は、感情的な表現よりも、確認したい事項を具体的にします。たとえば「売却に賛成してください」だけではなく、「不動産の査定を取ること」「遺産分割について話し合うこと」「固定資産税の負担を確認すること」を分けると、返答しやすくなります。

話し合いが進まなければ遺産分割調停を検討

相続人全員での話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を利用する方法があります。調停では、裁判所の調停委員を介して、遺産の範囲や分け方について話し合います。

単に「返事が遅い」段階ですぐ申立てが必要とは限りませんが、売却期限、税金、空き家管理などで時間的な制約がある場合は、弁護士へ早めに相談すると次の選択肢を整理しやすくなります。

相続人への連絡記録と遺産分割の資料を整理するイメージ
返事がない場合は、連絡した日時・方法・確認したい内容を記録します。

本当に行方不明なら不在者財産管理人を検討する

裁判所が案内する不在者財産管理人制度は、従来の住所または居所を去り、容易に戻る見込みのない人に財産管理人がいない場合に、その人の財産を管理するための制度です。

相続人が本当に行方不明で、遺産分割を進められない場合には、利害関係人などが家庭裁判所へ選任を申し立てることがあります。選任された不在者財産管理人は、通常の財産管理・保存を行い、遺産分割や不動産売却のような権限外の行為については、家庭裁判所の許可を得たうえで対応します。

「連絡に応じない人」と「法律上の不在者」は同じではありません。不在者財産管理人を使えるかどうかは、現在までの調査状況や本人の生活状況などを踏まえて家庭裁判所が判断します。

相続登記の期限はどうなる?

相続登記は2024年4月1日から義務化されています。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が基本で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

一方、相続人と連絡が取れず遺産分割がまとまらないと、誰が最終的に不動産を取得するか決められないことがあります。そのような場合に、基本的な相続登記義務を履行するための簡易な制度として「相続人申告登記」があります。

ただし、相続人申告登記は、誰が最終的に不動産を所有するかを確定する登記ではありません。そのため、相続した不動産を売却する場合は、遺産分割などを整理し、売却に必要な相続登記を別に行う必要があります。

不動産会社へはいつ相談すればよい?

相続人全員の合意がまだ取れていなくても、不動産会社へ査定相談をすること自体はできます。むしろ、家の売却価格の目安が分からないまま話し合うと、「この家はいくらなのか」という部分から意見が食い違うことがあります。

査定では、現況の価格だけでなく、残置物、修繕、境界、接道、建物状態なども確認します。売却を決定する権限と、価格の目安を調べることは別に考えましょう。

売却方法を比較したい場合は、古河市の相続不動産は仲介と買取のどちらがよい?も参考にしてください。

相続人と連絡が取れないときに避けたいこと

相続人を除外して遺産分割協議書を作る

共同相続人がいるのに、その人を最初からいないものとして任意の遺産分割協議を進めることは避けてください。まず相続人の範囲と所在を確認し、話し合いができない理由に応じて手続きを選びます。

返事がないまま高額な片付け・解体を始める

売却方針が決まっていない段階で、大規模な片付け、修繕、解体などの費用を一人だけで負担すると、後から「なぜ相談せずに進めたのか」と問題になることがあります。安全確保など急ぐ事情を除き、先に査定と必要作業を確認します。

固定資産税や管理を放置する

遺産分割が進まなくても、固定資産税や空き家管理の問題は続きます。誰が立て替えたか、草刈りや修繕を誰が行ったかを記録しておきます。固定資産税については、古河市で相続した不動産の固定資産税は誰が払う?も確認してください。

住所が分からないだけで「行方不明」と決める

電話番号を知らない、何年も会っていないというだけで、不在者財産管理人の対象になるとは限りません。戸籍・住所関係の確認を行い、現在の所在を調べたうえで専門家へ相談します。

想定事例で流れを確認

想定事例1|兄弟3人のうち一人の住所が分からない

古河市の実家を兄弟3人で相続する想定です。長男と長女は連絡を取れますが、次男とは長年疎遠で、現在の住所が分かりません。

まず戸籍で相続人を確認し、住所を調べる方法を司法書士へ相談します。同時に、不動産会社へ現況査定を依頼し、家の価格、残置物、修繕の必要性を確認します。住所が判明したら、査定結果と今後の選択肢を共有し、遺産分割の話し合いを始めます。これは判断手順を示す想定例で、実在の相談事例ではありません。

想定事例2|住所は分かるが返事がない

兄弟2人で相続する予定ですが、弟の住所は分かっているものの連絡に応じない想定です。売却予定を一方的に決めず、連絡した日時と内容を記録し、書面でも状況を伝えます。

一定期間たっても任意の協議が進まず、空き家の管理負担も続くため、弁護士へ相談し、遺産分割調停を含む手続きを検討します。同時に査定額と年間管理費を整理し、調停や協議で使える客観的な資料を準備します。

想定事例3|調査しても所在が分からない

戸籍や住所関係の調査を行っても相続人の所在が分からない想定です。弁護士等へ相談し、不在者財産管理人の選任が必要な状況か確認します。家庭裁判所で管理人が選任された場合も、遺産分割や売却には必要な許可を確認しながら進めます。

相談前のチェックリスト

  • 亡くなった方の戸籍関係書類
  • 相続人の氏名・続柄・分かる範囲の住所
  • 最後に連絡が取れた時期
  • 電話・メール・手紙などの連絡記録
  • 遺言書の有無
  • 土地・建物の登記事項証明書
  • 固定資産税納税通知書・課税明細書
  • 不動産の鍵・室内外の写真
  • 住宅ローン・抵当権関係の資料
  • 売却・保有についての他の相続人の希望
  • いつまでに整理したいか

全部そろっていなくても相談はできます。「分かっていること」「連絡できる人」「所在不明の人」「未確認の資料」を分けるだけでも、次に誰へ相談するべきか見えやすくなります。

相続人と連絡が取れない不動産の相談前チェックリストを確認するイメージ
戸籍・登記・連絡記録・不動産資料を一つずつ整理します。

よくある質問

Q1.兄弟の一人が電話に出ません。残りの兄弟だけで売却できますか?

亡くなった方の不動産全体を相続人全員に関係する状態から売却する場合、連絡に応じない相続人を除外して進めることはできません。まず連絡状況を整理し、任意の協議が進まない場合は弁護士や家庭裁判所の手続きを検討します。

Q2.住所が分からない相続人を探す方法はありますか?

戸籍・戸籍の附票などを使って住所を確認できる場合があります。ただし取得できる人や請求理由には条件があります。司法書士・弁護士や市区町村窓口へ確認してください。

Q3.返事がない人には不在者財産管理人を付けられますか?

単に返事がないだけでは、不在者に当たるとは限りません。不在者財産管理人は、従来の住所や居所を去り、容易に戻る見込みがない人について検討する制度です。家庭裁判所へ個別に確認してください。

Q4.相続人と連絡が取れなくても査定はできますか?

査定相談は可能です。売却価格の目安、建物状態、必要な片付け・修繕などを先に把握しておくと、その後の話し合いや専門家相談の材料になります。ただし、査定を取ったことと、売却契約を決定できることは別です。

Q5.相続登記の3年期限に間に合わなさそうです

遺産分割がまとまらない場合でも、相続人申告登記によって基本的な申請義務を履行できる場合があります。ただし、相続人申告登記だけでは不動産売却に必要な所有権の整理は完了しません。法務局や司法書士へ早めに相談してください。

Q6.相続人同士がすでに揉めています。不動産会社が仲裁できますか?

不動産会社は査定、物件調査、売却条件の整理はできますが、相続人同士の法的な紛争の代理交渉はできません。対立が生じている場合は弁護士へ相談し、不動産会社は価格や物件状態の資料提供という役割で連携します。

まとめ|相続人と連絡が取れないときは「理由」を分けて進める

相続人と連絡が取れないからといって、すぐに不動産売却を諦める必要はありません。ただし、連絡が取れる相続人だけで遺産分割や不動産全体の売却を決めることもできません。

まず「住所が分からない」「住所は分かるが返事がない」「本当に行方不明」のどれなのかを整理します。そのうえで、戸籍・住所調査、書面連絡、弁護士相談、遺産分割調停、不在者財産管理人など、状況に合う方法を選びます。

不動産については、相続手続が整うまで何もしないのではなく、査定、現地確認、管理費の整理などを並行して進められる場合があります。先に高額な費用をかけず、売却価格の目安と法的な手続を同時に整理することがポイントです。

あわせて確認したい関連記事

🧭 どの記事を読めばいいか迷った方へ

兄弟・共有、名義・登記、税金、空き家、売却方法など、今のお悩みから関連記事を探せます。

相続不動産のお悩み別ガイドを見る →

相続人と連絡が取れない不動産も、売却前の状況整理からご相談ください

北関東相続不動産を運営する株式会社SPCでは、古河市を含む北関東の相続不動産について、「兄弟の一人と連絡が取れない」「住所が分からない相続人がいる」「売却できるかだけ先に知りたい」という段階から、現況確認と査定相談を承っています。相続人の調査、遺産分割、法的な交渉は、必要に応じて司法書士・弁護士などの専門家へご確認ください。

※本記事は2026年9月7日時点の一般情報です。相続人の調査、遺産分割、不在者財産管理人、相続登記などの手続は個別事情によって異なります。法的判断は弁護士、登記は司法書士・法務局、家庭裁判所手続は管轄の家庭裁判所へご確認ください。

参照した公的情報

この記事をシェアする
Twitter
Facebook
はてな
RSS