不動産相続で兄弟姉妹が揉める原因は?実家の分け方と5つの予防策|古河市

「うちの家族は仲がいいから、相続で揉めることはない」——多くの方がそう思っています。ところが、いざ実家や土地の相続が現実になると、これまで仲のよかった兄弟姉妹の間に、思わぬ溝が生まれてしまうことがあります。相続をめぐる争いは「争続(そうぞく)」とも呼ばれ、古河市・茨城県西エリアでも、実家や空き家の扱いをめぐるご相談は少なくありません。実は、相続トラブルは資産が多い家庭だけの問題ではなく、ごく一般的なご家庭でも起こります。むしろ「分けられる財産が実家くらいしかない」場合のほうが、分け方をめぐって難しくなることもあります。
ただ、揉めごとの多くにははっきりした原因があり、原因を知っておけば、トラブルのリスクを減らせます。この記事では、不動産相続で揉めやすいポイントと、その予防策を、やさしい言葉で整理します。「まだ先のこと」と思わず、家族が円満なうちに、できる準備から始めましょう。
この記事でわかること(目次)
不動産相続が揉めやすい理由
まず、なぜ不動産が絡む相続は揉めやすいのか、その理由を整理しておきましょう。理由が分かれば、対策も見えてきます。

大きな理由は4つあります。1つ目は「分けにくい」こと。現金なら金額で等分できますが、実家という建物は物理的に切り分けられません。2つ目は「価値が見えにくい」こと。「いくらの価値か」が人によって違って見え、話の土台が揃いません。3つ目は「思い入れがある」こと。育った実家への気持ちが、金額の話と複雑に絡みます。4つ目は「負担の押し付け合い」。管理の手間や費用を誰が持つかで揉めるパターンです。
裏を返せば、この4つに先回りして手を打つことで、トラブルのリスクを減らせるということです。次の章から、特に揉めやすい2つのポイント(思い入れのズレ・管理費の負担)を詳しく見ていきます。
「平等に分けたつもり」がズレを生むことも
もう一つ知っておきたいのが、「法定相続分どおりに分けたのに、なぜか不満が残る」というケースです。たとえば、価値のある実家を一人が相続し、他の人は預貯金を相続したとき、金額上は平等でも「不動産は値上がりするかも」「現金よりいいものをもらった」といった感情が生まれることがあります。数字の上での平等と、気持ちの上での納得は、必ずしも一致しないのです。だからこそ、分け方を決める前の丁寧な話し合いが欠かせません。とくに、「なぜこの分け方にするのか」という理由を全員で共有しておくと、後から不満が出にくくなります。結論だけを押し付けず、過程を共有することが、円満な相続のカギになります。
実家への思い入れと金銭価値のズレ
不動産相続で最も根が深いのが、「思い入れ」と「金銭価値」のズレです。これは、どちらが正しい・間違っているという話ではなく、立場によって大切にするものが違うために起こります。

住んでいた人と、遠方の人で見え方が違う
たとえば、実家に住み続けてきた兄は「思い出の詰まった家を残したい」と考えます。一方、遠方に出た弟や妹は「使わないなら売って公平に分けたい」と考えがちです。どちらの気持ちも自然なものですが、これがぶつかると「お金のことしか考えていない」「思い出を無視している」と感情的な対立に発展してしまいます。
感情と数字を切り分けて話す
こうしたズレを和らげるコツは、感情の話と、お金(数字)の話を、いったん切り分けることです。「実家への思い」は思いとして尊重しつつ、「では実際にこの家はいくらで売れそうか」という売却価格の目安を、別途テーブルに乗せます。家族で共通の検討材料を持つことで、感情論だけの言い合いになりにくくなります。この共通の検討材料をつくるのが、後で触れる事前査定です。
「住んでいた人の貢献」も考慮する
実家に住みながら親の介護や建物の維持管理を担ってきた相続人がいる場合、その負担や経緯も含めて話し合うことが大切です。ただし、介護や同居をしただけで、当然に「寄与分」が認められるわけではありません。寄与分は、被相続人の財産の維持または増加に特別に貢献した相続人について認められる制度です。これまでの負担を相続人全員で共有し、納得できる分け方を検討することが、感情的な対立を避けるうえで重要です。法的な評価に意見の違いがある場合は、弁護士などの専門家へ相談しましょう。
誰が管理費を負担するか
もう一つ、見落とされがちなのに揉めやすいのが、「実家の管理費や手間を誰が負担するか」という問題です。
空き家は持っているだけで費用がかかる
相続した実家が空き家になっている場合、固定資産税、火災保険料、草木の手入れや換気などの管理が必要です。これらは持っている限り、毎年・毎月かかり続けます。ところが、「実家の近くに住む相続人だけが、草刈りや見回りを負担している」「費用は誰も払おうとしない」といった状態になると、負担している人の不満が募り、相続の話し合い全体がこじれる原因になります。
『誰が・何を・いつまで』を最初に決める
予防のポイントは、管理の分担を、あいまいにせず最初に決めておくことです。「固定資産税や管理費を、誰がどの割合で負担するかを全員で決める」「見回りは近くに住む人が担い、その分の手間を考慮する」「いつまでに売却・活用の方針を決める」——こうした取り決めを、口約束ではなく記録に残しておくと、後の「言った・言わない」を防げます。管理が行き届かない空き家は、行政から指導等の対象になる可能性もあるため(空き家に関する制度は変更される場合があるので詳細は自治体等へご確認ください)、放置しないこと自体が大切です。
古河市・茨城県西エリアは、庭付き・駐車場付きの戸建てが多く、草刈りや庭木の手入れの負担が大きいのも特徴です。遠方に住む相続人は実感しにくいため、「近くに住む人がどれだけ手間をかけているか」を共有することも、不公平感を防ぐうえで大切です。負担が大きいと感じたら、管理代行サービスの利用や、早めの売却・活用も選択肢になります。
相続した実家の名義や相続登記の期限については、「実家の名義放置はNG?相続登記義務化の期限・過料・売却への影響」でも詳しく解説しています。
早めの査定で話し合いの土台を作る
ここまで見てきた揉めごとの多くに効く対策が、早めに不動産の査定を取ることです。
「いくらの価値か」が分かると話が進む
査定で実家の売却価格の目安が分かると、家族で共通の検討材料を持ちやすくなります。「実家はおよそこのくらいで売れそう」という目安があれば、「一人が取得する場合に他の人へいくら支払うか」「売却してどのように分けるか」といった具体的な話に進みやすくなります。数字がないまま「なんとなく」で話すより、建設的に検討できます。
なお、不動産会社の査定額は売却価格の目安であり、遺産分割上の評価額を確定するものではありません。相続人の間で評価額について意見が分かれる場合は、複数の査定や不動産鑑定士による鑑定なども検討します。

早く動くほど予防効果が高い
予防策をまとめると、上の図の5つになります。早めに話し合う、早めに査定を取る、負担の分担を決める、記録を残す、第三者を入れる——どれも特別なことではありません。共通しているのは「早く動くほど効果が高い」という点です。相続人が少なく、家族が元気で、感情がこじれる前のうちに動くことが、円満な相続への近道です。一度こじれてしまうと、元に戻すには何倍もの時間と労力がかかります。だからこそ「何も起きていない今」が、いちばん予防に適したタイミングなのです。
第三者を入れるメリット
当事者だけで話し合うと、どうしても感情が先に立ちがちです。そこで有効なのが、第三者に間に入ってもらうことです。
冷静な話し合いの「クッション」になる
利害のない第三者が入ると、感情的になりかけた話し合いのクッション役になってくれます。たとえば不動産会社が査定という売却価格の目安を示せば、「身内の誰かが勝手に言っている」のではなく「専門家が出した目安」として、皆が受け止めやすくなります。同じ内容でも、誰が言うかで受け止め方が変わる——これは相続の話し合いでよく見られることです。
相談先によって役割が違う
第三者にもいろいろあり、役割が異なります。相続人同士の争いを法的に解決するなら弁護士、名義変更(相続登記)は司法書士、相続税など税金は税理士、固定資産税や空き家制度は自治体が専門です。そして、不動産の価値を示し、売却・活用を含めた全体の段取りを相談できるのが不動産会社です。
まずは不動産会社を起点にするのが現実的
「いきなり弁護士に頼むのは大げさだし、誰に相談すればいいか分からない」という段階では、まず地域の不動産会社に相談するのが現実的です。査定で話し合いの土台をつくり、必要に応じて司法書士・税理士・弁護士へつないでもらえます。古河市・茨城県西エリアの事情に詳しい会社なら、地域の相場を踏まえた現実的な提案ができます。
家族だけでは実家の価値について意見が合わなかった場合でも、第三者の査定を共有することで、売却・居住・代償分割などの選択肢を具体的に検討しやすくなることがあります。身内同士では言いにくいことも、専門家の資料を一つの判断材料にすると冷静に話しやすくなることが、第三者を入れるメリットです。
ただし、すでに相続人同士で対立している場合や、法的な権利関係について交渉が必要な場合は、弁護士や家庭裁判所へ相談する必要があります。不動産会社は、不動産の査定や売却・活用方法の整理を担当し、法的な紛争解決は弁護士などの専門家が担当します。
よくある質問
Q1. 仲のよい兄弟ですが、それでも準備は必要ですか?
はい、おすすめします。仲がよくても、不動産は「分けにくい」「価値が見えにくい」という性質から、いざ相続が現実になると意見が分かれることがあります。早めに査定を取り、方針を話し合っておくことが、円満を保つ予防になります。
Q2. 実家に住み続けたい兄と、売りたい弟で対立しています。
まずは査定によって、実家の売却価格の目安を確認しましょう。住み続ける場合は、兄が取得して弟へ相応の金額を払う(代償分割)などの方法があります。金額の目安があると、具体的な落としどころを探りやすくなります。話がまとまらない場合は弁護士への相談も選択肢です。
Q3. 管理費を一人だけが負担しています。どうすれば?
負担が偏っている状態は不満の元になります。固定資産税や管理の手間をどう分担するか、相続人全員で話し合い、取り決めを記録に残しましょう。早めに売却・活用の方針を決めることで、負担そのものを減らす方向も検討できます。
Q4. 親が元気なうちにできる予防策はありますか?
あります。親に遺言書を作成してもらう、生前に不動産の価値や活用方針を家族で話し合っておく、などが有効です。遺言の作成は公証役場や専門家(弁護士・司法書士)に相談できます。元気なうちの話し合いが、最大の予防策です。
Q5. 揉めてしまった場合、どこに相談すればいいですか?
相続人同士の争いがこじれた場合は、家庭裁判所の調停や弁護士への相談が選択肢になります。ただ、その前段階として、不動産会社の査定で、売却価格の目安という検討材料を揃えておくと、話し合いが整理されることも多いです。
最後に:地域の不動産会社へ早めに相談するメリット
不動産相続のトラブルは、「分けにくさ」「価値の見えにくさ」「思い入れ」「負担」という原因がはっきりしています。だからこそ、原因に先回りして、早めに査定で価値を見える化し、負担の分担を決め、第三者を交えて話し合うことで、トラブルを防ぎやすくなります。
「まだ相続が起きていない」「揉めているわけではない」という段階こそ、動きやすいタイミングです。地域の不動産会社に相談すれば、査定による売却価格の目安を土台に、司法書士・税理士・弁護士など必要な専門家への橋渡しまで、まとめてサポートできます。古河市・茨城県西エリアの相場に詳しい当社なら、現実的な見通しをお伝えできます。
「揉める前」のご相談こそ大歓迎です
「まだ先のことだけど、揉めたくない」「実家の価値を知って話し合いの準備をしたい」——その段階でも構いません。当社では相続不動産の無料相談・現地確認・査定を承り、司法書士・税理士・弁護士など必要な専門家へのご紹介も行っています。まずは現状整理だけでもご相談ください。
※出典:裁判所「遺産分割調停」、裁判所「寄与分を定める処分調停」、国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法務・税務に関する助言ではありません。法律・税金・手続きの取り扱いは個別の事情により異なり、制度が変更される場合もあります。最新情報は家庭裁判所・法務局・税務署・司法書士・弁護士・税理士・自治体等へご確認ください。(最終確認日:2026年7月)
