屋根修理の業者はどう選べばいい?優良業者の特徴を解説

・台風で屋根が壊れた
・急に雨漏りしてきた
・屋根が古くなってきた
など、屋根修理をしなくてはいけない状況はいくつか考えられます。
しかし屋根が破損しても、慌てて屋根修理業者を呼んではいけません。
屋根修理業者の中には悪徳業者も存在し、適当な見積もりや工事でトラブルになることも少なくありません。事前に屋根修理の知識を持っておくことで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
この記事では、優良業者の選び方やポイントを紹介。悪徳業者の手口も合わせて紹介しますので、屋根修理業者選びの参考にしてください。
この記事のポイント
・屋根修理業者を呼ぶ前には屋根の状況を確認しておく
・新築から10年以内は家を建てた工務店やハウスメーカーに相談しよう
・屋根だけの修理なら屋根修理業者へ
・優良業者の特徴は説明が丁寧で判断を急がせない
・優良業者を選ぶためには相見積もりを取り、知識をつけること
・悪徳業者は訪問営業が多く、屋根の確認や見積もりが適当
・悪徳業者はとにかく契約を急がせるのでその場で契約しない
屋根修理業者を呼ぶ前に準備すべきこと
屋根修理業者を呼ぶ前には、事前準備をしておくことをおすすめします。
自然災害などで屋根が壊れた場合、急いで修理業者を呼ばないといけないと焦るかもしれません。しかしまずは焦らないで、屋根修理業者を呼ぶ前に屋根の状態をある程度把握しておくことが大切です。
なぜなら、屋根修理業者は
・瓦屋根には対応していない
・太陽光発電の取り外しができない
・雨漏りの修理には対応していない
など、できることとできないことがあるためです。
屋根が壊れ、雨漏りがしているので修理をしてほしいと屋根修理業者を手配しても、具体的に屋根の状況を伝えていなければ、実は雨漏りの修理はできない業者だったということもありえるのです。
そのような時間の無駄をさけるためにも、事前に屋根の状況を把握し、どのような修理を依頼したいのかをまとめておきましょう。
屋根の状況を確認しておく
修理業者を呼ぶ前に確認しておくべき項目は次の3つ。
ただし、自分で屋根に上るのは危険です。さらに破損がある場合は、いつも以上に危険なので屋根の状態を確認するのは、下から見える範囲にしましょう。
・屋根の種類
・屋根の大きさや形状がわかる図面
・築年数やこれまでの屋根修理の有無
上記のことをわかる範囲で屋根修理業者に伝えましょう。
屋根の種類について
屋根の種類は、大きく分けて次の3つ。
・瓦屋根
・スレート屋根
・ガルバリウム屋根
瓦屋根は、昔ながらの屋根で耐用年数が長いのが特徴。50年以上長持ちし、耐火性や耐水性に優れているので人気があります。自然災害などで瓦が飛びやすく、修理費用は高額になりがちです。
スレート屋根は、強力なセメントと粘土で固めた屋根材です。安価で機能性も高いため近年の新築住宅で主流となっています。軽量のため風に弱く、定期的な塗装が必要です。
ガルバリウム屋根は、サビにくいメッキを塗った鋼板の屋根です。デザイン性が高く、近年スレート屋根同様に人気が高まっています。断熱性や遮音性、通気性が悪いというデメリットもあります。
一口に屋根の修理といっても屋根の種類によって、修理の方法は異なります。さらに太陽光パネルがある場合は、修理のためにパネルを外す必要も。屋根修理業者によってできる工事が異なるため、事前に屋根の種類を伝えることで依頼もスムーズに進みます。屋根の形状も同時に伝えることも忘れないようにしましょう。
屋根の大きさや形状がわかる図面
屋根の大きさや形などによって工事の内容も変わります。屋根の勾配や伸び率などがわかる図面があれば、足場の有無や近隣への配慮が必要かなどが事前にわかります。家の図面があれば、用意しておきましょう。
築年数やこれまでの屋根修理の有無
家の築年数や工事歴によっては、屋根全体の工事が必要になることもあります。屋根修理をしたことがある場合は、前回の屋根修理の内容が今回の工事に関わることも。正確にわからないのであれば、わかる範囲で問題ありません。築年数やこれまでの屋根修理の有無について確認しておきましょう。
屋根の状況を簡潔に伝える
屋根が現在どのような状況であるかをわかる範囲で確認しましょう。
・瓦が5枚飛んだ
・屋根が割れている
・雨漏りがしている
など、屋根の状況をできるだけ具体的に伝えてください。
雨漏りは、
・いつから
・どれくらいの範囲で
・これまでの雨漏りの有無
などを確認しておくことも大切です。
雨漏りがある場合は、屋根修理だけでなく内装工事などの別の修理が必要なこともあります。雨漏り修理に対応できる業者に依頼するために、しっかり確認しておきましょう。
屋根修理業者の種類
屋根修理はどこへ依頼すればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
屋根の修理ができる業者には種類があります。
・工務店
・ハウスメーカー
・リフォーム業者
・屋根修理の専門業者
それぞれの違いについて解説します。
工務店
家を建ててから10年以内の場合は、家を建てた工務店で修理を依頼しましょう。
住宅を建築する事業者は、新築から10年以内の住宅に「住宅瑕疵(かし)担保責任」を負っています。瑕疵(かし)とは、簡単にいうと欠陥のこと。住宅瑕疵担保責任とは、住宅に欠陥が見つかった場合、事業者が補償する責任のことを言います。
新築住宅の場合、10年程度は何もしなくても屋根のトラブルは起こりません。何のトラブルもないのに突然雨漏りがしてきたという場合は、施工不良の可能性があります。瑕疵担保責任期間の場合は無料で修理できる可能性も。まずは家を建てた工務店に相談しましょう。
しかし、自然災害があった場合は別です。住宅瑕疵担保責任は、自然災害の場合の補償の義務はありません。
しかし、有償で修理の依頼をすることはもちろん可能。工務店は、広範囲の施工ができるのでさまざまな屋根修理に対応できます。地元密着型の工務店の場合は、修理を依頼するとすぐに駆けつけてくれるなどのメリットがあることも。
ハウスメーカー
ハウスメーカーで、家を建てた場合も工務店と同様です。
新築から10年以内であれば、瑕疵担保責任があるので、まずはハウスメーカーに相談しましょう。
ただし大手ハウスメーカーでは、実際の工事作業は下請けの業者に依頼することがほとんど。そのため仲介料が発生し、費用が高額になりがちです。
メリットは、自宅を建築してもらったハウスメーカーであれば、安心感があることです。
リフォーム業者
リフォーム業者にも種類があります。中には、屋根の修理を得意としていない場合もあるので、対応可能な工事内容をよく確認しましょう。
リフォーム業者は、屋根以外の場所も同時に修理したい場合におすすめ。
同時に施工できるので、一か所当たりの工事費用が安くなる可能性があります。
屋根修理専門業者
家全体のリフォームではなく屋根だけの修理を依頼したい場合は屋根修理専門業者に依頼しましょう。
築10年以上経過していて、雨漏りや屋根の破損がある場合や、屋根だけの点検をしてほしいという場合も専門業者がおすすめ。
リフォーム業者やハウスメーカーに屋根の修理を依頼しても、実際には屋根修理専門業者に工事を依頼していることもあります。
仲介手数料が発生し費用が割高になる可能性もあるので、屋根だけ修理したいという場合は最初から屋根修理専門業者に依頼するのがおすすめです。
優良業者の特徴
ここからは優良業者の特徴について紹介します。
業者のどこをチェックしたらいいのかわからない方のために、ポイントを絞って解説します。
丁寧な説明
依頼主は屋根修理に関しては素人です。
素人にもわかりやすく、丁寧な説明をしてくれることは大切なポイント。
優良業者は、しっかりと現地調査を行い、調査内容の画像や動画をもとに丁寧な説明をしてくれます。
専門用語をできるだけ使わないで、素人にもわかりやすく説明してくれるので調査内容にも納得できるでしょう。
少しでも疑問に思うことがあれば、どんな些細なことでも質問を。
優良業者であれば、依頼主が納得できるまでわかりやすく丁寧に説明してくれます。屋根の修理は、依頼主が確認しにくい場所のため信頼は何よりも重要です。
詳細な見積書
調査後の見積内容にも注目です。
どんな工事が必要でその工事の費用はいくらかかるのか、という詳細で具体的な見積書であれば安心です。
中には、○○一式というような雑で工事内容が一切わからないような見積もりもあります。やたらと専門用語を並べ、わかりにくい説明をするような業者も避けましょう。
見積金額は、相場と比較して適正かも確認しましょう。
高すぎる見積もりだけでなく、安すぎる場合も注意してください。手抜き工事や、後になって追加工事を請求される可能性も。そのため屋根修理の適正金額を事前に知っておくことも大切です。
さらに、見積もりを出した後に、契約をせかさないこともポイント。
優良業者は、自社の工事に自信があるので、じっくり判断することをすすめます。あまりにも判断を急がされる場合は注意しましょう。
損害保険に加入
工事施工業者は、請負業者賠償責任保険に加入していることがほとんどです。これは、工事中に事故があった場合に損害を賠償してくれる保険です。
例えば、屋根修理工事中に誤って自宅の窓を割ってしまったような場合。
損害保険に加入している業者であれば、無償で修理をしてくれます。
屋根の修理内容に責任をもっていることも大切です。
屋根の修理は、すぐに結果がわかるわけではありません。
見た目には問題がなくても、しばらくすると再び雨漏りが始まったという場合もあります。アフターフォローを含め、修理内容に責任を持っている業者を選びましょう。
保証の範囲が狭い、まったく保証がない場合は、自分の工事に自信がない証拠です。契約を結ぶ前には、保証内容について確認しましょう。
屋根修理業者を選ぶときのポイント
実際に屋根修理業者を選ぶ際には、次のポイントをよく確認しましょう。
・相見積もりをする
・HPの実績を確認
・評判や口コミ
・知識をつけて質問をする
それぞれ解説します。
相見積もりをする
1社の見積りだけで判断するのはできるだけやめましょう。
1社の見積もりを見ただけでは、自分がしてほしい工事内容にかかる費用の相場感がわかりません。費用の相場を知ると金額の値引き交渉もできるようになります。
相見積もりの理想は2~3社。多すぎると混乱してしまいます。
相見積もりの際には、現地調査や見積もりの説明の仕方にも注目。
現地調査にかかった時間、調査写真の有無、本当に屋根に上がって調査をしてるのかなど、調査を丁寧に行い説明もわかりやすいのかを比較しましょう。
見積書の内容を、わかりやすく説明してくれることも大切です。
材料や工法などを詳細に書いてあり、質問に丁寧に答えてくれる業者を選びましょう。相見積もりを嫌がる業者は要注意です。
HPの実績を確認
優良業者を見つけるためには、業者のホームページを確認しましょう。
現場の詳しい写真や工事の様子、施工後の写真などが載っている業者は工事に自信がある証拠です。
さらに職人の写真などを掲載している場合は、自社で工事をしている可能性が高くなります。
会社情報がホームページにもれなく記載されていることもポイント。
信頼できる業者は、住所や電話番号、代表者の名前や創業年月日などを詳しく記載しています。
ただし、小さい工務店などの場合は現場作業が忙しく、ホームページの更新頻度が少ない場合もあります。
注意するのは、根拠のないナンバーワンの表記や大げさなキャンペーン情報ばかりが目立つホームページ。内容が曖昧なホームページの会社は避けましょう。
評判や口コミ
実際に屋根修理をした友人や知人に口コミを聞くことが最もいい方法です。
とはいえ、実際に屋根工事をした人が周りにいない場合も多いものです。
そこで参考になるのがインターネットの口コミ。気になる業者を見つけたら、インターネットで口コミや評判を検索してみましょう。
ただし、インターネットの口コミや評判は誰が書いたものかわかりません。インターネットの口コミは参考程度にしましょう。
知識をつけて質問をする
屋根修理を依頼する前に、自分でもある程度の屋根に関する知識を持つことも大切です。
少しでも知識があるとわかると、悪徳業者はだましにくいと感じるのでだまされる可能性も低くなります。
屋根修理に関する知識があれば、疑問に感じることに質問もできます。
屋根修理は、修理内容にもよりますが数万円から数十万円、屋根の葺き替えを行うと数百万円かかる場合もあります。納得のできる修理にするためにも、質問をしてわかりやすく答えてくれる業者を選びましょう。
さらに事前に、屋根修理にかかる費用の相場を知っておくことも大切です。相場を知っておくことで、料金が高すぎる場合に値引き交渉することも可能です。
屋根修理の悪徳業者に注意
残念ながら、屋根修理業者には悪徳業者がいることも事実です。屋根修理の詐欺は年々増加しています。詐欺被害に合わないためにも、悪徳業者の手口や対処法を解説します。
悪徳業者の手口
悪徳業者の手口の特徴は次の7つ。
・突然の訪問
・火災保険が使えるなど無料をアピール
・現地調査が10分など短い
・見積内容がわかりにくい
・質問に答えない
・営業に専門知識がない
・契約を急がせる
悪徳業者は、突然訪問営業をしてくることも多いです。
訪問の理由は、
・近所でリフォーム工事をするので挨拶に
・市役所からきた
・屋根の無料点検、定期点検
などもっともらしい理由で突然訪問してきます。
訪問営業に来た悪徳業者は、今しかない、すぐに契約しないと危ないなど危険をあおりますが、すぐに契約しないようにしましょう。
近年増えているのが、火災保険を使えるので無料になりますと言われ契約を迫ること。
しかしながら、契約している火災保険によっては屋根修理を完全にカバーできるとは限りません。保険請求ができるとウソをついて保険金を請求させるという手口もあるので要注意です。
現地調査が雑な業者は問題外です。
現地調査が10分程度、中には屋根にも上らないで見積もりを作る業者もいます。
現地調査にはできる限り立ち会うようにしましょう。屋根修理は、屋根を上から見るだけではなく、時には屋根裏などの確認も必要なので時間がかかるもの。すぐに終わらせようとする業者は、原因追求をする意識がありません。
見積内容がわかりにくい業者にも注意。一式が多用され曖昧な見積もりの場合、どのような工事になるのかわかりません。質問に対する答えをはぐらかされたり、答えない場合も注意してください。営業に専門知識がない場合も同様です。
優良業者の場合は、依頼主が不安にならないように納得いくまで説明します。見積もりを作っている営業にも専門知識があり、どんな質問にもわかりやすく答えてくれます。反対に、専門用語を連発する場合も注意してください。わざとわかりにくくして、答えを曖昧にしている可能性があります。
契約を急がせる業者も要注意です。
今ならキャンペーン価格、すぐに工事をしないと危ないなどあらゆる方法で契約を急がせようとする業者は、依頼主に判断する隙を与えないうちに契約をしようとします。優良業者の場合は、じっくり比較検討する時間があり依頼主のペースで進められます。
さらに、契約のために大幅な値引きをする業者にも注意しましょう。あまりにも安くしすぎる場合は、手抜き工事や原材料を取り替えるなどの可能性もあります。
悪徳業者の対処法
悪徳業者に騙されないための対処法は
・即決しない
・他社と比較する
・納得するまで質問する
・契約書を提出してもらう
以上4つです。
まずは、即決しないこと。悪徳業者は不安をあおったり、キャンペーン価格を提示したり、大幅値引きを持ちかけたりとあの手この手でその場で契約しようとします。どんなことを言われようと、その場で契約しないことが大切です。
優良業者の場合、契約を急がせることはまずありません。
必ず見積内容を他社と比較しましょう。悪徳業者ではなくても、工事内容や使う材料によって工事費用は変わります。自分が行いたい工事内容の費用がわかるので、少なくとも2~3社は相見積もりを取ることをおすすめします。
見積内容や説明に疑問がある場合は、納得いくまで質問しましょう。優良業者であれば、誠心誠意質問に答えてくれるはずです。家に関わる重大なことなので、十分納得してから契約しましょう。悪徳業者は、質問に対する答えは曖昧にして、とにかく契約を急がせます。
悪徳業者は、契約書の提出を嫌がる傾向があります。紙面に名前や契約内容が残ることを嫌うためです。契約の前には、契約書を交わすように促しましょう。応じない場合、その業者とは契約しないようにしましょう。
※万が一悪徳業者と契約してしまった場合は
・クーリングオフ制度の利用
・各相談窓口に相談する
などの方法もあります。泣き寝入りしないで下記の公的な相談機関へ連絡しましょう。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター
0570-016-100(携帯電話や一部のIP電話は03-3556-5147)
国民生活センター 03-3446-0999(平日の11時から13時まで) |
屋根修理は悪徳業者に注意!
屋根が壊れると慌ててしまい、判断を誤ってしまうこともあります。
まずは、ホームページや口コミなどを参考に業者を選び、2~3社から相見積もりをとりましょう。
屋根は目に見えない部分なので、危ないと言われると信じてしまうことも。優良業者は、むやみに契約を急いだり、危険をあおったりすることはありません。現状をしっかり確認し、納得いくまで説明してくれます。
この記事を参考に屋根修理業者を選び、納得のいく工事をしましょう。