ドローンを用いた屋根点検を個人で行う際に必要な知識と知っておきたい5つの法律

台風が過ぎ去ったあと、チラッと見えた屋根の状態が心配…。点検をしたいけれど業者に頼むのはお金がかかるし、悪徳業者も増えていると聞くからできるなら自分で点検をしたい。という方も多いのではないでしょうか?
家は長く住むものです。そのためには定期的なメンテナンスが必要不可欠ですが、屋根は普段目につきにくく、見えないところが傷んでいたりするため、雨漏りなどが起こってから慌てて業者に修理を依頼することも多いです。
屋根は雨や台風などの影響を一番受けている場所なので、定期的にメンテナンスを行うことは非常に重要ですが、自分で屋根に登って点検するのは危険が伴うためあまりおすすめできる方法ではありません。
そこで、近頃話題のドローンを用いた屋根点検を自分でやってみようという方が増えてきていますが、実際自分でドローンを操作して屋根点検をするにはどのようなことを知っておくべきなのでしょうか?
本記事では、ドローンを用いた屋根点検を個人で行う際に必要な知識と知っておきたい5つの法律をご紹介します。
目次
ドローンを用いた屋根点検を個人で行う際に必要な知識
ドローンを用いて個人で屋根点検を行っても、どのような症状のときに補修が必要になるのかを把握していなければ点検の意味がありません。
具体的に点検をするためにも、屋根の傷みが発生しやすい場所と症状を知っておくことが大切です。
屋根の傷みが発生しやすい場所
屋根は紫外線や雨風などに晒されるため、傷みやすく劣化しやすい場所です。点検をする際は隅から隅までくまなく目視で確認することが必要ですが、傷みやすい部分を重点的に確認すると効率よく点検を行うことができます。
・棟部
棟部とは、屋根の天辺で複数の屋根が交差する頂部のことです。棟部は平面状の屋根以外の屋根には必ずついているもので、雨を防ぐにはなくてはならない部分です。
棟部は台風や強風の被害に遭いやすく、材質は鉄でできていることが多いので、夏の日差しなどの熱によって膨張、収縮を繰り返して傷みやすくなっています。
・外壁際
外壁際とは、2階や3階の部屋と下の階を繋いている部分のことです。この部分は、他と比べて角度があるため防水処理が難しいとされています。
そのため、普通の雨ではあまり問題ないですが、台風などの暴風雨では雨水が入り込んできてしまう可能性があります。
・谷板金
屋根の凹んだ部分である谷板金は、雨水が流れてサビが発生しやすく、風によって飛んできた落ち葉やゴミも溜まりやすくなっています。
腐食しにくい金属で作られることが多いですが、傷みやすい部分なので自然災害だけでなく経年によって穴が開いてしまうこともあります。
ドローンで屋根の点検を行う際にチェックしたい症状
重点的に見るべき箇所がわかったところで、次はドローンで屋根の点検を行う際にチェックしたい症状です。どのような状態になっていたら補修が必要なのかを把握して点検に生かしましょう。
・屋根材や棟板金の浮きや剥がれ
まずチェックしたいのは、屋根材や棟板金の浮きや剥がれの有無です。家の屋根は、台風などの影響や劣化によって屋根材や棟板金が浮き上がったり、ひどくなると剥がれてしまうことがあります。
屋根を固定している棟板金の釘が浮いてくると、強風によって家だけでなく人にまで被害を及ぼしてしまう可能性があります。
しかも、室内に雨漏りしてしまう原因にもなるので、しっかりとチェックしておくことが大切です。
・屋根のサビ
台風などの強風での飛来物やアンテナの倒壊によって屋根に傷がついてしまうと金属が剥き出しになってしまい、サビの原因となります。
サビをそのまま放置してしまうと、ひどい場合には屋根に穴が開いて雨漏りしてしまう可能性もあるので屋根のチェックをするときはサビを見逃してはいけません。
・漆喰の剥がれ
古いタイプの家の多くに使われている瓦屋根は、意外と見逃されがちな部分です。漆喰がダメージを受けたまま放置されてしまうと、そこから瓦の下の葺き土が雨水によって侵食され、棟全体のダメージに繋がってしまうのです。
そのため、瓦屋根の点検を自分で行う際には、瓦の破損だけでなく漆喰にもしっかりと目を配ることが大切です。
ドローンで屋根の点検を行う際に知っておきたい5つの法律
近年、テレビなどでもよく見かけるようになったドローンを使って撮影された映像。実はドローンを飛ばすにはいろいろと注意しなければいけないことがあります。
まず、一番最初はドローンは200g以下のものであれば航空法が適用されないという点です。
しかし、それよりも重さのあるものを飛ばそうと思っている場合には、航空法を守らなければいけません。もし、航空法で禁止されている場所(空港周辺、150m以上上空、民家が集中している地域)でドローンを飛ばしたいときは、国土交通省の許可が必要になります。
そして、趣味としてドローンで遊ぶときだけでなく、個人でドローンを用いた屋根点検を行いたいと思ったとき、航空法のほかにもいくつか知っておきたい法律があります。
ここからは、ドローンで屋根点検を行う際に知っておきたい5つの法律についてご紹介していきます。
小型無人機等の飛行禁止法
国の重要施設やその周辺地域を飛行禁止空域と定めているのが小型無人機等の飛行禁止法です。
一見あまり関係なさそうな法律ですが、この飛行禁止区域には公園や住宅街なども含まれていることがあるので、安易にドローンを飛ばしてしまうと違反の対象となっている場合があります。
電波法
日本では電波を利用する際、使っても良い電波を割り当てる特定無線設備の技術基準適合証明の取得(技適)を義務付けて規制しています。
ドローンも、電波で通信しながら飛行するものなので、技適を取得する必要がありますが、ほとんどのドローンはWi-Fiの電波帯と同じ2.4Hz帯を使用しているので、許可は不要です。
ただ、許可されていない帯域を使用するドローンも売られているため、購入する際には2.4Hz帯を使用しているものなのかを確認するようにしましょう。
道路交通法
道路交通法は直接ドローンに対して規制をしている法律ではありませんが、公道上での飛行や離着陸には許可が必要になることもあります。
しかも、道路上をただ通過するだけでも低空飛行によって交通に影響を与えてしまったりすると、道路交通法に違反している場合も出てきます。むやみに道路でドローンを飛ばすことはやめておいた方が良さそうです。
公園条例
条例とは、地方公共団体が憲法94条にも続いて独自に制定している法のことで、注意したいのが各地方公共団体によってその制定内容が違うということです。
地方公共団体によっては公園でドローンを飛ばすことを禁止している地域があるため、自分の住んでいる地域ではドローンに関してどのような条例があるのかを確認しておきましょう。
文化財保護法
文化財を保護するために作られた法律です。誤ってドローンを文化財にぶつけてしまい、傷をつけてしまっては大変です。もしも家の近くに文化財があるときにはドローンで屋根点検を行うのはやめましょう。
屋根の点検を個人で行うべきか
ドローンを所有していると、早速飛ばして屋根の点検を行いたくなるかもしれませんが、個人で行う場合、メリットもあればデメリットもあります。その点を理解したうえで自分で屋根点検を行いましょう。
ここからは、屋根点検を個人で行うメリットとデメリットをご紹介します。屋根の点検を個人で行おうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
屋根の点検を個人で行うメリット
ドローンを用いて点検を行うことでたくさんのメリットがあります。
・業者に点検費用を払わなくて済む
・自分が屋根に登る必要がない
・屋根に登らないことで屋根材を割る心配がない
・悪徳業者に引っかかる可能性を少なくできる
1番のメリットは業者に点検費用を払わなくて済むので費用をグッと抑えることができる点です。屋根点検は高額になりやすい作業なので、費用を抑えられるのは嬉しいことです。
屋根の点検を個人で行うデメリット
上記のようにドローンを用いた屋根点検を個人で行うとメリットがたくさんありますが、その反対にデメリットもあることを覚えておかなくてはいけません。
・操作不良でドローンが落ちる可能性がある
・点検のついでに応急処置をすることができない
・気がつかないで法律に触れている場合がある
・素人では発見できない破損箇所がある
ドローンの操作は非常に難しいため、個人で点検を行うと誤って墜落させてしまい、近所の家を破損させ、迷惑をかける可能性があります。
しかも、屋根の点検を素人が行うとプロがするのと同じような点検はできません。自分では破損箇所なしと思っても、実は破損していて点検をしたはずなのに雨漏りをして結局は業者に頼むということにもなりかねません。
まとめ
ドローンを用いた屋根点検を個人で行う際に必要な知識と知っておきたい5つの法律をご紹介しました。
ドローンでの屋根点検は、個人でも簡単に行うことができそうですが、デメリットがある以上慎重に検討すべきです。
今ではドローンで屋根点検を行っている業者はたくさんあるので、自分で行うのは危険だと判断した際にはドローンでの屋根点検の経験が豊富な業者に依頼することをおすすめします。
そこでおすすめしたいのが、ドローンを用いた屋根点検の経験が豊富なヤネラボです。ヤネラボは、屋根の点検から図面の作成、火災保険申請のレクチャー、修理までをワンストップで行っています。
ドローンの操縦の経験も豊富で、万が一の事故に備えてドローン保険にも入っているので安心して点検を任せることができるうえ、火災保険を使った屋根修理に関してもアドバイスを行ってくれます。屋根点検をお考えの方はぜひヤネラボを活用してみてください。